「勘合」の使い方

材料力学 自動計算サイトの「勘合」の使い方を説明する。

状況説明

勘合、状況説明

このページの計算の前提となる状況を説明する。
上図の左側が勘合前の状態、右側が勘合後の状態を示す。

緑色の材料が軸で、橙色の材料が穴側を表し、どちらも円筒形状である。

寸法Aは、はめ合いの基準寸法を示しており軸の外径と穴の内径で同一である。
δは軸と穴の締め代を表す。

次に右側のはめ合い後の画像におけるFは、はめ合いに必要な挿入荷重を表し、
μは軸と穴の間の摩擦係数である。

Tsはスリップトルクであり、穴が固定された状態でTs以上のトルクを軸に掛けると、
穴に対して軸がスリップしてしまうことを意味する。
Tinは想定している印加トルクである。
例えば、軸側がモータのステータで、穴がハウジングだとすると、
Tinにはモータの瞬間最大トルクを入力して、スリップトルクに対する安全率を計算することができる。

パラメータ入力

パラメータ入力と計算実行

空欄を全て埋めて「計算実行」ボタンで計算を行う。

計算結果の確認

計算結果

最後に、得られる計算結果の各項目の意味について説明する。

一つ目のテーブル「必要挿入力とスリッピングトルク」では締め代が最小時最大時
それぞれの時の「必要挿入力F」「スリッピングトルク」「安全率」が計算される。
ここでの安全率は「スリッピングトルク÷印加トルク」で計算されており、
加えられるトルクに対してスリップトルクが大きく設定できているかを判断することができる。
重要な計算結果と思われる箇所を太枠で囲っている。

二つ目のテーブル「締め代最大時の応力とその安全率」では、締め代が最大の時の応力とその安全率が表示される。
上の2段は軸の圧縮応力・せん断応力、穴の引張応力・せん断応力が表示され、全て材料内の最大の応力である。
下の2段は安全率であり、降伏応力を圧縮/引張応力で割った値と、せん断降伏応力をせん断応力で割った値が表示される。

以上です。皆様の材力ライフが充実することをお祈りします。