材料力学 自動計算サイトの「圧縮・引張」の使い方を説明する。
「圧縮・引張」のページでは柱を軸方向に圧縮もしくは引張った時の変位や応力を計算する。
はじめに青枠内の[支持方法選択]にて柱が床に固定か、天吊りか、また外力の方向が圧縮か引張かを選択する。
ここで黄色の矢印が力の方向を表しており、柱を押し込む方向が圧縮、柱を引き延ばす方向が引張である。
右端の「両端固定」は、力を加えずに温度上昇のみにより内部応力がどの程度かかるかを計算する。
「圧縮」または「両端固定」の支持方法を選択時には、水色枠内の[座屈評価用 両端支持方法]が選択可能である。
両端の支持方法により座屈のしやすさが変わる。
座屈評価が不要の場合は選択する必要はない。
次に赤枠内の断面形状を選択する。
最後に紫枠内にて青枠、赤枠内にて選択した構造が反映されているかを確認し、必要であれば「自重」「熱膨張」「材料に円孔がある」にチェックを入れる。
「自重」にチェックを入れた場合は、応力や変位に柱自身の自重による影響も加味される。
「熱膨張」にチェックを入れた場合は、パラメータ入力の「熱膨張あり」欄がグレーアウトから解放されるので、線膨張係数と温度変化を入力することで熱による膨張が計算結果に加味される。
「材料に円孔がある」にチェックを入れた場合は、パラメータ入力の「材料に円孔があり」欄がグレーアウトから解放されるので、応力入力係数を設定することで、その分計算結果の応力が掛け算で大きくなる。
円孔のサイズは柱の幅よりも十分小さいことを仮定し応力集中係数はデフォルトで3が入るようになっている。
※円孔のサイズを微小と仮定しているため、柱の断面積の変化は考慮されていない。
次に柱の物性、長さ、断面寸法や、荷重の大きさを数値で入力する。
柱の物性値は、物質のプルダウンにて材料を選択すれば自動で入力される。
もしプルダウンの中に使いたいの材質がなければ、ヤング率と密度、降伏応力を直接入力しても良い。
荷重(F)は、前述の黄色矢印の大きさを表す。
この荷重には柱の自重を含めない事とする。
長さ寸法と断面寸法の欄には、柱の長さと断面の寸法を記入する。
単位に注意して記入する事。
「熱膨張あり」と「材料に円孔あり」の欄については既に記載の通りである。
全てのボックスを埋めたら計算の条件が全て揃ったので、右側の「計算実行」ボタンで計算を行う。
最後に、得られる計算結果の各項目の意味について説明する。
柱の変位と応力に影響する要因としては、荷重と自重と熱膨張の3つがある。
自重と熱膨張に関しては、状況設定の際に「自重」と「熱膨張」にチェックを入れることでグレーアウトが解放される。
左の列は、それら3つの変位とその合計変位を表し、右の列はそれらの応力とその合計(最大応力)を示す。
一番右下の座屈荷重は、状況設定にて「座屈評価用 両端支持方法」欄内のチェックを入れた時にグレーアウトが解放される。
座屈荷重は、座屈が起きる荷重を意味し座屈荷重が大きいほど、座屈に対して強い構造であるといえる。
座屈の安全率は[座屈荷重÷荷重]で計算される。
以上です。皆様の材力ライフが充実することをお祈りします。