「ボルト締結」の使い方
材料力学 自動計算サイトの「ボルト締結」の使い方を説明する。
状況説明
このページの計算の前提となる状況を説明する。
上図の右側に正面図、左側に断面A-Aを示す。
黄色部分を雌ネジ側となる雌ネジ材とし、そこに赤矢印で示されるようにボルトが円形に配置されている。
それらの間には緑色の被締結体が間に挟まれて締結されている。
正面図からわかるように緑色の被締結体は上部に形状が飛び出しており黄色矢印で示されるような回転方向にトルクをかけられるようになっている。
この被締結体に掛けるトルクを負荷トルクと呼ぶ。
ここで何を計算したいかというと、指定のサイズ、材質のボルトを、指定の締結トルク、P.C.D.、ボルト本数で締結した時に、どの程度の負荷トルクに耐えられるか、つまり負荷トルクにより被締結体が滑らないかを計算する。
パラメータ入力
締結するボルトの条件とその取付構造、さらに負荷トルクを入力する。
ボルト
ねじ径はボルトのサイズで、M3であればd:3とし、M4であればd:4とする。
強度区分は、ボルトの強度をプルダウンから選ぶ。
ねじ径と強度区分を選択されると、
ボルトが破損しない安全率が1.45となるように自動で締め付けトルクが入力される。
締め付けトルクは、自分で書き直すこともできる。
トルク定数はデフォルトで0.175が入力されている。
取り付け構造
ボルトは円形に配置し締結する前提であるのでP.C.D.でその位置を指定する。
さらにボルトと被締結体間と、被締結体と雌ネジ材間の摩擦係数を記入する。
摩擦係数はデフォルトで0.2となっている。
締結するボルトの本数を記入する。
当然、ボルトの本数が多いほど負荷トルクに対する耐力は向上するが、
ネジや締結体等のコスト、組み立て工数の増加といったデメリットも存在する。
外力
被締結体に加える負荷トルクを入力する。
この値を元にすべりに対する安全率が算出される。
全てのボックスを埋めたら計算の条件が全て揃ったので、右側の「計算実行」ボタンで計算を行う。
計算結果の確認
最後に、得られる計算結果の各項目の意味について説明する。
- 「(ボルト1本当たり)軸力f」
締め付けトルクとボルト径、トルク係数から計算される数値で、ボルトの引張方向への力を表す。
- 「ボルト破損に対する安全率s(t)」
ボルトの強度区分(材質)から求まる降伏応力σを、ボルトに加わる応力(f/A, A:ボルト断面積)で割った値となっている。
デフォルトの締め付けトルク(t)を使っていれば、s(t)は1.45になる。
- 「締め付けトルク t(デフォルト)」
算出する式は、0.001×d×k×σ×A(ボルトが破損する最小の締め付けトルク)と、0.691(1.45の逆数)の積で構成されている。
- 「負荷トルクに対する耐力R」
被締結体がどの程度の負荷トルクに対して滑らずに耐えられるかを表し、[軸力(f)×半径(D×0.001/2)×摩擦係数(μ)×ボルト数(N)×2(被締結体がボルト側と雌ネジ材側の2面で接触しているため)]で計算される。
- 「すべりに対する安全率S(T)」
耐力R÷負荷トルクTで計算される。
ただし、負荷トルクは瞬間的に大きなトルクがかかる場合や繰り返しトルクがかかることが予想されるので、5以上は必要で、10以上あれば十分であると思う。
以上です。皆様の材力ライフが充実することをお祈りします。